自分の能力や才能が最も輝く場所を見つけられていますか?大都市で埋もれるより、意外な場所で特別な存在になる方が幸せではないでしょうか?

ロンドンからわずか1時間、イギリス中部に位置するレスターという街をご存知でしょうか?雨が多く、冬は午後4時には日が落ちる気候最悪の街なのに、なぜ私がここを離れられないのか——。それは「希少性」という魔法のような概念に関係しています。東京では埋もれてしまう能力も、環境が変われば光り輝くことがあります。今日は自分の価値が最大化される「最適環境」の見つけ方について、レスターでの体験を交えながらお話しします。

イギリス・レスターの大学文化

イギリス・レスターは大学が街の中に溶け込んでるような、学生でなくとも入れる身近な存在で、自分の活動領域も大学に合わせています。レスター大学とデモントフォート大学という2つの大学があり、街全体が学生の活気で満ちています。

恩恵の1つに、世界でもっとも信頼されている英語指導資格のひとつ、英語教育の権威であるケンブリッジの認定資格「CELTA」の教育実習を、レスターで無料で受けれて、本当にありがたいです。

そんな良いものなら、応募が殺到しそうですが、イギリスレスターという地方都市でロンドンほど人が多くない、英語学習を必要としてる人が少ないので、まさに穴場の状態になっていて、希少性のありがたさを噛み締めています。

レスターはイングランド中部に位置し、ロンドンからは電車で約1時間。ロンドンの喧騒と高い生活費を避けつつも、充実した都市生活を楽しめる絶妙なバランスの街です。レスターに住む日本人はさほど多くないため、日本語や日本文化の知識がより価値を持つ環境でもあります。

もし、英語学習を必要とする人がたくさんいるロンドンのような環境なら、この恩恵は受けられません。

レスターで見つけた日本人としての希少価値

レスターでは日本人であることそのものが希少価値になります。例えば、レスター大学の日本語クラスでは、日本語ネイティブの会話パートナーが常に求められています。単に日本語を話せるというだけで、週に1〜2回の会話練習相手として歓迎され、その見返りとして英語の練習機会や現地の人との交流が得られます。

また、レスターにある小規模な日本食レストランでは、本場の味や作法を知る日本人としてアドバイスを求められることもあります。「これは日本では実際どう食べるの?」「この調味料は本当に日本で使われているの?」といった質問が絶えず、文化大使のような役割を果たせることが多いです。

レスターのような中規模都市では、東京や大阪のように日本食材が簡単に手に入らないため、日本料理の知識や調理法を知っていることも貴重なスキルとして重宝されます。レスターの国際交流イベントで日本の家庭料理を振る舞った際は、地元の人々から大きな関心を持たれました。

活動の希少性を見つける

これはなにもイギリスレスターだけの話にとどまらず、身近なところで、全く同じことをしてるのに、環境を変えたら、全く状況が好転したなんてこともよくあります。

地方移住をしたときは、東京だと優秀なマーケッターが山ほどいますが、地方だと希少性が高いので、とても重宝してもらえました。これはレスターとロンドンの関係にも似ています。ロンドンでは埋もれてしまうスキルも、レスターでは光る可能性があるのです。


それをきっかけに、つながりが広がったり、海外だと日本人が少ないと日本語が話せるだけで重宝されたりと、これは日本人の先代が日本への素晴らしいイメージを築き上げてくれたおかげです。

今できることで、自分の希少性が高まるところはどこなのだろうというのは、ぜひ考えてみてください。


今できることと、それの希少性が高い場所がマッチする環境は人によって違うので、ネットで探しても絶対に出てこず、自分で探すしかなく、ゆえに見つけたときには自分しか知らない最高の環境になります。

レスターの隠れた魅力と日常生活

レスターの気候は、一刻も早く引っ越したいくらい最悪なのですが、離れられないのは、この最高の環境を見つけてしまったからです。レスターはイギリスの中でも特に雨が多く、冬は日照時間が極端に短いことで有名です。12月から2月にかけては、午後4時には暗くなってしまいます。

しかし、そんなレスターにも魅力はたくさんあります。例えば、レスターは英国で最も多文化共生が進んだ都市の一つとして知られています。特にインド系やパキスタン系の住民が多く、本格的なカレーが日常的に楽しめます。「ゴールデン・マイル」と呼ばれるインド料理店が立ち並ぶエリアは、レスター名物の一つです。

レスターのフットボールチーム「レスター・シティFC」は2016年に奇跡的なプレミアリーグ優勝を果たし、地元の誇りとなっています。試合日には街全体が青一色に染まり、パブは地元サポーターで溢れかえります。

また、レスターにはイギリス最大級の屋内市場「レスター・マーケット」があり、新鮮な野菜や果物、チーズなどが地元の人々の生活を支えています。日本食材は限られていますが、アジア系食材店ではある程度の調味料も手に入ります。

環境の相対性:コミュニティの中での自分の位置づけ

逆に、たびたび紹介してる海外移住してる人が集まる「せかいじゅうサロン」(FACEBOOKグループも)では、一般的に海外移住は希少性が高いものですが、そのコミュニティだと海外移住してる人が多すぎて埋もれてしまいます。

レスターの日本人コミュニティも同様で、日本食レストランのオーナーの集まりでは、単に「日本人である」という希少性は薄れます。そこでは別の専門性や個性が必要になります。

このように、同じ能力や経験でも、置かれる環境によって価値が大きく変わることがあります。自分自身の強みや特技がどのような環境で最も光るか、常に考え探求することが重要です。

仕事での希少性を見つける実践的なアプローチ

希少価値の高い環境を見つけて自分のキャリアを最大化するには、以下のようなアプローチが効果的です:

  1. 多様なプロフェッショナルネットワークに参加する: 業界団体、異業種交流会、オンラインコミュニティなど、複数の専門家グループに所属することで、自分のスキルセットが最も高く評価される環境を発見できます。同じスキルでも、評価される度合いは環境によって大きく異なります。

  2. 既存スキルの応用範囲を拡大する: たとえば、データ分析スキルは一般企業だけでなく、非営利団体、教育機関、スタートアップ、公共セクターなど幅広い分野で価値を持ちます。自分のコアスキルがどの業界・分野で不足しているかを調査してみましょう。

  3. 独自の経験や背景を強みに変える: あなたの独特な経歴、業界知識、文化的背景は「異なる世界の橋渡し役」として機能します。例えば、技術と営業両方の経験を持つ人材は、技術営業や顧客サクセス部門で特に価値があります。

  4. 市場のニーズギャップを見極める: 特定の業界や地域で満たされていないニーズを発見することが重要です。例えば、デジタル化が遅れている伝統産業では、基本的なデジタルスキルでも高い価値を持つことがあります。ニッチな市場を見つけることで、競争の少ない環境で自分の価値を最大化できます。

このような観点から自分のキャリア環境を見直すことで、同じスキルセットを持っていても、その価値が何倍にも膨れ上がる可能性があります。重要なのは自分が「希少資源」となる環境を意識的に探し、そこでポジショニングすることです。

あなたもぜひ、自分の希少性が最も高まる環境について考えてみてください。それは思いがけないところにあるかもしれません。レスターのような「意外な場所」こそ、あなたの能力が最大限に活きる環境かもしれないのです。