「友達なら、細かいこと言わなくてもわかる」
そう思って始めた子育てシェアは、予想外の展開になりました。
今回は子育てシェアで初めて経験した「友人との共有範囲」から学んだ、本当の信頼関係の作り方についてお話しします。
初の試み:昔からの友人を子育てシェアに招く
子育てシェアを始めて1年半、これまで受け入れてきたのは、幅広く、レスターで知り合った人、Facebookの友達、友人と、色んな交友関係の人で、ただ日本人ばかりでした。面談を重ねて、価値観をすり合わせて、ルールを共有して。そうして築いた関係は、見事に「家族のような絆」へと育っていきました。
そして今回、初めての試みをしました。
昔からの友人で、しかも日本人以外を受け入れることにしたんです。
「友達だし、細かいこと気にしない性格だし、やってることもある程度、共有してるし、子育てシェアの詳細を伝えなくても大丈夫だろう」
そう思っていました。
これまで日本人メンバーと細かく調整してきたときは、お互いをあまり知らない関係だったから。でも今回は違う。昔から知ってる友人です。わざわざ細かく説明する必要はないと思っていました。
でも実際は...予想外の展開が待っていました。
「友達だから大丈夫」という甘い考えが崩壊
始まってしばらく経つと気づきました。
噛み合わない部分が、いくつも出てくるんです。
詳細は省きますが、時間の感覚、家事の優先順位、子どもへの接し方。日本人メンバーとは「言わなくてもわかる」部分で、今回は全く通じませんでした。
話し合いの回数が、これまで以上に多くなりました。
「あれ、友達だから楽だと思ってたのに...」
正直、焦りました。
そして気づいたんです。
これまで日本人メンバーとうまくいっていたのは、細かく説明したからじゃない。日本人同士の「言葉にしなくてもわかる」共通認識があったからだと。
時間厳守の感覚、空気を読むこと、「言わなくてもわかるでしょ」という前提。これ、全部日本人特有の文化だったんですね。
確かに、全く知らない外国人を受け入れるのであれば、日本人以上に細かいところまで調整していくところです。でも今回は日本人ではないとはいえ、昔からの友達だったので、必要ないと思っていました。
その甘さが、完全に裏目に出たんです。
「阿吽の呼吸」は日本人だけの特権だった
噛み合わないことが続く中で、大きな発見がありました。
日本人同士の「阿吽の呼吸」って、実はすごく特殊なんだと。
これまで日本人メンバーとは、細かく言わなくても「察してくれる」ことが多かった。でもそれは、お互いが日本で育ち、同じ文化的背景を共有していたからなんですね。
例えば:
- 「そろそろ」と言えば、時間が近いことを察してくれる
- 忙しそうにしてると、自然と手伝ってくれる
- 「大丈夫」と言いながら表情で「大丈夫じゃない」を伝えられる
これ、日本人以外にはおそらく通じません。
というか、よく考えたら日本人同士でも本当は限界があったはずなんです。今回の失敗で気づきました。日本人メンバーとも、本当はもっと細かく話し合うべきだったのかもしれない。
「察してもらえる」に、僕は甘えていただけだったのかもしれません。
外国人との議論文化が教えてくれた宝物
でも、ここからが面白いんです。
噛み合わない部分が多く、話し合う機会もいつも以上に多くなりました。でも実際にどうなったかというと、最終的にはお互いが納得したところに到達する経験も、一番多かったんです。
これは逆に日本人だと、議論することに慣れていないので、これだけ綺麗にまとまるのはあまり経験がありません。
海外では、話し合うことに非常に慣れているんですね。
外国人との議論はこんな感じでした:
1. 議論の始め方が明確 「ちょっと話したいことがあるんだけど」と正面から切り出す。日本人だと、この切り出し方すら躊躇してしまうことが多い。
2. お互いの話の聞き方が違う 相手の意見を最後まで聞く。途中で「でも...」と遮らない。日本人だと、空気を読んで自分の意見を飲み込むことが多いけど、外国人は「あなたの意見を全部聞きたい」というスタンスなんです。
3. 最初は噛み合わなくても、最後には必ず着地する お互いの意見が真逆でも、議論を続けることで共通点を見つけていく。そして必ず、お互いが納得できる解決策に辿り着くんです。
4. 感謝の気持ちで終わる 議論が終わると「話し合えてよかった。あなたの意見で気づけたことがある」と、必ず感謝で締める。
これはなかなか日本で経験できなかったことです。
日本人同士だと、議論が途中で止まってしまう。空気が悪くなる。結論が出ないまま、なんとなく終わる。そして後味が悪い。
でも今回の友人とは、どんなに噛み合わなくても、最後は必ず綺麗にまとまりました。しかも、お互いが「話せてよかった」と思える終わり方でした。
子育てシェアだからこそ経験できた深い対話
なぜこんなことが可能だったのか?
それは子育てシェアという、深い価値観をシェアしていかないとできないことだからです。
表面的な関係なら、合わなければ距離を置けばいい。でも子育てシェアは違います。
子どもという、両親それぞれが大切にする共有するものがある。だからこそ、価値観のすり合わせから逃げられないんです。
友達と家族の違い
- 友達関係: 合わなければ距離を置ける
- 家族関係: 合わなくても話し合って解決する
子育てシェアは「家族のような絆を創る」と言っています。
でもそれは、聞こえはいいですが、簡単に作っていけるものではありません。
衝突があって、議論があって、理解し合って、感謝する。
相手のことを友達としてはわかっていたつもりが、細かいところまではわかってなかった。
そのプロセスがあったからこそ、本当の繋がりができるんです。
前回の一時帰国で実感:プロセスを経た絆の強さ
前回、日本に一時帰国した時、元子育てシェアメンバーに会いました。
家族で一緒にUSJに行ったり、お笑いライブに招待してもらったり、買い物やご飯に連れて行ってもらったり。お土産も頂いてしまいました。
彼女は2025年の8月に日本へ帰国していたのですが、それでもこうして時間が経っても再会できる。それはもう、血は繋がってないけど家族のような関係なんです。
今でも彼女ならではの色んなことを教えてもらってます。
一緒に遊んで大歓迎されて、本当に素晴らしい時間を過ごせました。
なぜこんなに深い絆になったのか?
単なる「良い思い出」があるだけじゃないんです。
一緒に暮らし、価値観をすり合わせ、時には衝突し、話し合い、理解し合った。そのプロセスがあったから、表面的な関係では得られない深さが生まれたんです。
旅行で出会った友達とは違う。一緒に悩み、一緒に成長したから、家族になれたんです。
多様性とは「違いを受け入れる技術」ではなく「議論する勇気」
今回、友人との子育てシェアで学んだことをまとめます。
1. 「友達だから大丈夫」は甘い考えだった
関係が近いほど、細かいすり合わせが必要。むしろ「友達だから」こそ、きちんと話し合わないといけなかった。
2. 日本人同士の「察する文化」に甘えていた
本当は日本人メンバーとも、もっと細かく話し合うべきだった。「察してもらえる」に頼りすぎていた。
3. 外国人との議論文化は宝物
- 議論を恐れない
- 最初は噛み合わなくても、最後は必ず着地する
- 感謝で終わる
この文化は、日本ではなかなか経験できない貴重なものでした。
4. 子育てシェアは「簡単な絆」ではない
だからこそ、本物の絆になる。プロセスがあるから、深い繋がりができる。
多様性の本質はここにある
子育てシェアという家族のような関係を目指すからこそ、価値観の違いと正面から向き合わないといけません。
価値観の違いには、良いところも悪いところもある。その違いから学び、自分のこだわりを知り、許容し合うことで、深い結束の元で生まれた家族のような繋がりができるんです。
多様性とは、単に「違いを受け入れる」ことではありません。
違いに気づき、議論し、理解し合い、感謝する。そのプロセスを恐れないことなんだと思います。
これは何も子育てシェアだけの話だけでなく、家族や親友、パートナー、血縁関係、大事な人間関係を育むのに必要不可欠です。
今回、友人との子育てシェアは「失敗」からのスタートでした。でもその失敗があったからこそ、議論する勇気と本当の多様性を学べました。
衝突があったとしても、今回のこの話を忘れないようにして継続していきたいと思います。